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【Uターン漁師のゴーヘー通信】Vol.108 おっかぁも漁師
                          2005年12月10日発行
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■おっかぁも漁師

「おっかぁ」はもちろん「奥さん」のことです。カレ網ではうちの村にはあり
ませんが、隣村では(かなりお歳を召していますが)おっかぁも船に乗ってい
るのが2ハイあります。船がエンジンを積む前からおっかぁも船に乗る家がわ
りとあったようです。

実は三河湾ではカレ網以外で船に乗るおっかぁをよく見かけます。三河のアサ
リマンガは5トンくらいの船で2〜3人が乗っていますが、この中に女性の姿
をしょっちゅう見かけます。三河のゴッチ(底引き)や村のゴッチや流し(流
し網)もおっかぁがよく乗っています。ゴッチや流しは夜のショウバイが多い
ので男でも大変ですが、女性なら尚更だと思うので感心します。

梶島のアサリかきやオクゴオリのアサリかきもおっかぁがよく乗っています。
かいたアサリは大小を選り分けなくちゃいけないですから、だんながかいておっ
かぁが選るという分業になっています。たまにおっかぁがかいているところを
見かけることもあります。

モグリ(潜水業)は二人一組で船に乗っている船が多くたいていは男ですが、
中にはおっかぁと二人組でやっている船もあります。もちろん潜る担当は男で
す。モグリが他の漁と違うのは若い人が多くおっかぁも若い人が目立つ点です。
ちょっと羨ましいです。

冬になると海苔養殖があちこちで行われますが、三河やオクゴオリ、野間、常
滑ではおっかぁもテンマに乗って海苔の世話をしているところを見かけます。
うちの村ではさすがにこういうおっかぁはいません。

また漁師のおっかぁは陸の上でもなにかと仕事が多いです。ゴッチや流しでは
帰ってきてから魚を町の市場まで車で運びますが、おっかぁが一緒に船に乗っ
ている人は市場へも一緒に乗っていきます。一緒に船に乗っていない家ではおっ
かぁが市場へ運ぶ役の場合が多いです。たいてい朝3時、4時頃の出発なので
かなり大変です。

村の海苔屋さの場合だと海から摘んできた海苔を陸にあげて以降、乾燥機にか
けて製品になるまでの世話がおっかぁを始めとした女が中心となって作業をし
ます。もちろん男も一連の作業をやりますが、男はもっぱら陸の力仕事・海の
作業が中心となっているようです。

さて、船に乗るおっかぁと乗らないおっかぁとでは当然乗らないおっかぁの方
が多いわけですが、船に乗っているおっかぁも三河湾・伊勢湾では想像してた
より多そうです。うちの村の漁協ではさすがに組合員に女性はいませんが、常
滑地区では女性の組合員もあると聞きます。

こうなると気になるのは県内の漁業就業者に占める女性の割合です。幸い愛知
県の発表する「水産業の動き2005」という資料があり、それによれば全国
平均の女性の就業率16.4%に対して愛知は22.9%だそうです。漁師の5人に1人
以上が女性と言うことですね。内湾で外海に比べて海が穏やかゆえ女性も船に
乗ることが多いのかもしれませんが、これってやはりかなり多い数字だと思い
ませんか?

おっかぁが船に乗るかどうかに関わらずおっかぁが漁や浜仕事に関わるのはこ
ちらでは当たり前のことでなので、おっかぁの発言力もそれなりに強いように
思われます。「うちの山の神」と言えばおっかぁのことを指しており、「山の
神の言うことにはなかなか逆らえない」というのは男衆の言い訳の一つであり
ます。こちらの漁師は案外かかあ天下が多いのかもしれないです(笑)。


■先週のゴーヘー

○11月27日(日) <連続カラ記録に迫る>

西浦へ行く。奥田から上野間で3クラやる。小カレイ1枚きりでは実質3クラ
カラと同じ。空港島南へ移動してもカラが2クラ続いた。もう1回で連続タイ
記録だったけど、橋の下りに移動した6クラ目に小コチ2本、小カレイ1枚、
ホウボウ1本とどうにか魚の顔が見えた。

それからお昼までカラはなかったけど1つか2つしかかからない。最後に大ダ
コが1つかかってきたおかげで水揚げが5千円を超えたけど、なければ油銭ト
ントンだ。でも5千円超えた程度じゃぜんぜん嬉しくない。

明日はどこへ行けばいいんだろねぇ。


○11月28日(月) <オハコも終わった_| ̄|○>

朝少し遅く出て東のオハコへ行く。もちろん誰にも後をつけられないように注
意して走った。

場へ着くとすぐに1クラ目をやる。アオサはたくさんついたけどカレイは1枚
きり。2クラ目も1枚。3クラ目にようやく6枚(大2)かかったけど4クラ
目はまた1枚。どうやらオハコも終わったようだ。諦めて梶島へ戻ってきた。

梶島は相変わらずだがカラがなかっただけ良かった。珍しくハゴも6枚かかっ
た(約2千円也)。コチも3本ゲット。おかげでどうにか昨日の倍くらいの水
揚げになった。


○11月30日(水) <カレ網終了>

午前中タコ瓶を揚げに行く。4セット手繰ってタコ2ハイきり。大ダコと中ダ
コなのが唯一の救い。両方で4.5キロあったから大ダコは3キロくらいあっ
た模様( ・_・;)。

浦口にやってあった1セットは引き上げてきた。明日からのナマコ引きで引き
吊り回されてはかなわんから(笑)。

というわけで今日で今シーズンのカレ網は終了。
明日からはナマコ引きだ〜!


○12月1日(木) <ナマコ引き開始>

天気も良くて風もなく良いナマコ引き日和。浜へ行くとすでに浦の中にはナマ
コ引きが出ていた。我々も早速開始!

開始早々不調に気づく。右手にはめた新調したビニールの手袋がナマコケタの
ロープを手繰る際に滑る・滑る。全然力が入らない。失敗だったけど今日はこ
のままやるしかない。

ナマコの方は大方の予想通り不漁。1回引いても小さめのヤツが4つか5つ程
度。去年のように一クラで20も入っているようなことはない。水がそれ程冷
たくないからまだナマコが出てきていないという意見もあるが、やっぱり去年
3バイが3月末まで引いたせいだと思う。めちゃくちゃなことをやって結局自
分も周りの人の首も締めることになるんだ。

まぁ〜、愚痴を言っててもナマコが勝手にケタに入ってくれるわけではないん
で、どこかにいないかあちこち引き回る。それで昼までにどうにかカゴにかる
く2ハイ分溜まった。去年に比べたら3分の1程度。それでいてガソリンは同
じだけ使ったから厳しい結果だ。今年のナマコ引きは早々に折れる(やめる)
かもしれない。

始まって早々なんとも景気の悪い話しだ。

ナマコの代わりといってはなんだが、カキはカゴに2ハイ分とわりとたくさん
引けた。しばらく畜養してから食べよう。

明日に備え午後ゴム手袋を買っておいた。


○12月2日(金) <今日は一カゴ>

昨日にも増して今日はいない。7ハイのテンマのうち3バイはカキ引きに転向
したようだ。そりゃこれだけナマコがいなくてはやってられんわ。

残った4ハイはマガナのイワテで引いた。アオサの多い場所で油断するとケタ
の口にアオサがついて袋になにも入らなくなってしまう。タコ瓶もある場所な
んでそれらをかわして引く。確かにかわっているはずなのに時々引っかかるん
で不思議に思っていたら、どうやらウケが無くなって放置されたタコ瓶がある
ようだ。

うち以外の3バイはタコ瓶の上も平気で引っ張っていく。よく引っかからない
ものだと思って見てたらそのうちにSK丸が引っかけた。うん、やっぱりひっ
かかるよね。SK丸は引っかけたのも知らずに(構わずに?)どんどんウケを
引っ張っていく。10数m引っ張ってようやく気づいて(諦めて?)ケタを揚
げていた。これでまたタコ瓶の位置が変わってしまって避けるがまた難しくなっ
た。

もっともそうやって引き吊り回しているうちに瓶が一カ所に集まってしまうか
ら、そうなったら気にしなくて良くなるかも。案外それが狙いだったりして(
苦笑)。

今日は結局1カゴ分しか獲れなかった。油はこの二日で無くなった。う〜ん、
油代が取れそうにない(T_T)。


○12月3日(土) <初コノワタ取り>

今日は風模様だったんでナマコ引きはお休みしてコノワタ取りをやった。

ナマコはタライに3バイしかないから寂しい限り。それでも9時から取り始め
て終わったのは11時だったから随分と時間がかかった。全体に小さいのが多
いから時間がかかった模様。

途中でゴッチ(底引き)のおじいさんがやってきた。コノワタ取りをやってる
とこういう風に誰かしら様子を見に来るから面白い。今年はナマコが少ない旨
愚痴ったりしたんだけど、やらない人から見たら「自分たちでルール決めてや
らないのが悪いんだ」という感想みたい。

うん、まったくその通りなんだけど、決めたルールを守るような人達じゃない
のは中に入ってみないとわからないんだな、これが(-_-;)。


■今週のゴーヘー

○12月5日(月) <台風並みの強風>

昨夜から強風が吹いている。雨戸はガタガタ揺れるし時折二階も揺れる。猛烈
な西風だ。これは日本海にある低気圧が異常に発達して台風並みになったせい。

この強風で今日はセントレアで欠航が相次いだ。今年の2月開港以来2度目。
今日の欠航数は前回よりひどかったらしい。

伊勢湾を挟んで対岸の津市では瞬間最大風速が30mを超えたそうだから、今
年東海地区へやってきたどの台風より風が強い(苦笑)。これじゃ飛行機は飛
べないよなぁ。


○12月8日(木) <タコ1パイ>

昨日、今日と風はあまりなかったがナマコ引きには行かず。他の人は3バイは
ナマコ引き、3バイはカキ引きへと出ていた。この獲れない中でムリして獲れ
ば少ないナマコもカキも一層少なくなる。来年も不漁間違いなしだ。_| ̄|○

やることもないんで、10時頃タコ瓶を揚げに行った。3セット揚げて中タコ
1パイのみ。これでは売ることもできないからうちで食べることにした。タコ
瓶は1セット引き上げてきた。


■エピローグ

え〜、今年のナマコ漁は終了!。と、言い切ってしまっても差し支えない状態
であります。他の人はまだナマコ引きをやるでしょうが、うちはたぶんもうや
りません。諦めました(早っ)。

ナマコ引きを止めると他に収入はないわけでこの年の瀬に実に困ったことであ
ります。冬の仕事だから手間賃程度でいいと割り切って何かテキトウなバイト
を探さないと、うちの山の神がうるさいと思われます。

あ、この場合の山の神はゴーヘーの母であります。ゴーヘーは未だ独身で奥さ
んはおりません。ず〜と募集継続中でもれなく毎日船に乗れる特典がついてお
ります。さ〜、ふるって応・・・・ありえん(笑)。


■次回予告

Vol.109 「景気と相場」 2005年12月24日(土)発行予定

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