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【Uターン漁師のゴーヘー通信】Vol.112 絶滅危惧種
                           2006年2月4日発行
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■絶滅危惧種

先日渥美半島の太平洋側の表浜(おもてはま)が車両乗り入れ禁止となりまし
た。ここは絶滅危惧種のアカウミガメの産卵場所となっていて、日本での産卵
の約1割がここで行われていると言われています。かつては幅が広かった表浜
も今では波による砂の流出が激しく、それを食い止めようとして砂浜に埋め込
まれた消波ブロックが露出して産卵のために浜に上ってきたカメの行く手を阻
んでいます。無事産卵できても孵った子供達が今度は浜に乗り入れた車の轍に
阻まれて海に帰れない事態が起こっています。今度の規制はそれを食い止めよ
うと地元の方々が10年以上活動してきた成果と言えます。

絶滅危惧種はアカウミガメなどのウミガメの他にはクジラがつとに有名ですね。
多くの種類のクジラの数が激しい捕鯨により激減し個体数が大幅に激減しまし
た。未だに大型のクジラ程その数が少ないままで絶滅の危機に瀕している一方、
特定の種類のクジラは数が増えてきて今度は生態系への影響すら心配される状
況になってきています。生態系の頂点であっても底辺であっても生物は互いに
影響し合って生きているため、生物の保護活動も生態系のバランスが重要であ
ります。

このような絶滅危惧種と呼ばれる生物はその生物の世代継続に必要な数の個体
数が著しく減少しています。カメやクジラのような体の大きな生物は個体数が
2・3千のレベルまで落ちると、素人目に見ても世代継続に支障がでそうなこ
とは明らかです。外部からの流入のない人口2・3千人の村が次第に衰退して
いくのに似ています。数百のレベルになると自然状態での回復はかなり困難そ
うです。

大型生物の場合世代継続には少なくとも数万レベル、繁栄のためには数十万レ
ベルの個体数が必要なのでしょう。かといって100万レベルになると逆に食
糧確保に心配が出てくるが自然の難しいところでしょうか。


さて、地球上で最も繁栄している、つまり個体数の多い大型生物は何でしょう
か。当然ですが、それは我々人間ですね。世界人口は推計で60億を超えてい
ます。かつて単一種でこれほど栄えた大型生物が地球上にあったでしょうか。
絶滅の危険からはもっとも遠い生物である反面、地球の生態系維持の面から考
えるとかなりムリのある個体数であるように感じます。単一種でこれほどの個
体数を維持できるのは、自然が生産した動植物を食料とするだけでなく人間自
らが食料を生産できるためですね。自然にできるものだけを獲って食べていた
のでは到底ムリな個体数です。農業の発明は人間にとって特別な意味がありま
すね。

農業とくればもう一つの第一次産業である漁業の話しとなるわけですが、魚の
養殖はかなり広く行われているとはいえ未だ自然が育んだものを獲ることが漁
業の主体であります。自然が生産したものを獲る漁業で維持できる人間の数に
は限りがあり、漁業に従事する人の数も限られてしまうのは自然なことでしょ
う。前号でも紹介したとおり漁業に従事する人つまり漁師の数は農家の数に比
べて圧倒的に少なく、愛知の例では5,300人、農家の22分の1です。総個体数、
つまり愛知の総人口726万人に比べるとわずか0.073%にしか過ぎません。数で
絶滅危惧種の生物並み、割合ではほとんど絶滅に近い状況です。

前号では愛知の漁師もがんばってるとお伝えしましたが、実のところ世代継続
が可能か微妙な状態。WWFとかグリーンピースとかに保護活動を依頼したいとこ
ろです。


注:今回の絶滅危惧種のお話は「海の耳、あわびのページ」
  (http://ww4.tiki.ne.jp/~ikawahara/)でずっと以前に読んだ、
  「沿岸漁師は絶滅危惧種だと水産研究者が言及した」ことをヒントに
  書いています。


■先週のゴーヘー

○少し寒さが緩んだでしょうかね〜


■今週のゴーヘー

○緩んだのは気のせいですね〜


■エピローグ

ライブドアショックから2週間あまり。株価の方は落ち着きを取り戻したよう
でテレビを賑わすようなことは起こっていません。ちぇ、残・・・いえいえ、
良かったですね〜(汗)。

そのライブドアですがこんな漁師の間でも酒の席などでやっぱり話題になって
います(笑)。新聞・テレビ・ネットのあちこちで専門家・素人を問わず議論
されていてすでに食傷気味かもしれません。ここで話題にするのもかなり場違
いな感じもしますが、あえて次回はライブドアとその周辺の事柄についてつぶ
やいてみたいと思います。


■次回予告

Vol.113 「ライブドアつれづれ」 2006年2月18日(土)発行予定

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