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【Uターン漁師のゴーヘー通信】Vol.32 年間180日
                                    2003年1月11日発行
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■年間180日

1年は365日ですから、180日は約半年分になります。
この日数、皆さんは何だとお思いになりますか?

年間180日とは、カレ網の漁師が1年に出漁するおおよその日数です。

週休2日の会社員が年末年始・GW・夏期休暇をあわせて年間のお休みがおおよそ120日だとすると、年間労働日数は約245日。自営業の方は週休1日とか隔週1日休みなんてのも多いですから、年間の労働日数はもっと多くなるでしょう。いずれにせよ世間の人はたくさん働いているようです。

それに比べてカレ網の漁師の年間180日はなんという数字でしょう!週休2日の会社員より65日、約2ヶ月も少ないです!世間からみたらカレ網の漁師たちは単なる怠け者集団です(苦笑)。

カレ網の漁師の出漁する日数が年間の半分しかないのには、もちろんちゃんと
した理由があります。

ゴーヘー通信でもお馴染みの「風」が吹けば、漁に出たくても出られません。

今の船は昔より大きくエンジンも強力ですから無理をすれば漁場まで走ることもできるし、漁だって一人でできます。しかしそれをして得られる水揚げが1万数千円、よくて3万円では危険を冒してまで出漁するメリットがありません。万一エンジントラブルでも発生すれば万事休す。助けてくれる僚船もなくあっという間に船は風に流されどこかに座礁することになります。

風休みは年間を通じては夏に少なく、冬は毎日風休みです。春や秋は漁の途中で強風が吹いてくることがあり、吹けば帰ってきます。

昨年を振り返ってみると一番出漁日が多かった月は5月で23日間でした。夏は台風が続いた影響もあり、7月は15日間出漁しただけでした。逆に10月は風の影響を受けにくいタテコミやガニ網をやっていたので、例年より多くて20日間出漁できました。

風以外でもカレ網漁師間で決めた休漁日が6月〜9月の間に月2日あります。お盆休みも3日あります。

1日の水揚げ金額が少ない上に休みばかりでは、他の漁に比べて儲からないのも道理です。昔はカレ網の船も40パイ以上あったそうですが、皆続かなくて辞めてしまい今は13バイしかありません。60歳以上が8パイ、ゴーヘー父もその一人です。他の漁師の中には「カレ網は年寄りの漁」と陰口をきく人もいるくらいですが、実際カレ網の漁師は年寄りばかりなので、実にマトを得た陰口と言わざるを得ません(苦笑)。その代わり体が動く限り働けますし、意外に専門性が高いんで年取ってからではできません(ニヤリ)。


カレ網の漁師は休みの日に何やっているのでしょうか?
それはまた別な機会に(^_^)。




■今週のゴーヘー

○12月31日(火)  <大晦日に!?>

昨夜ゴーヘー父が「明日網あげにいくでな」とのたまう。どうやら昨日の午後一人で網をやりに行ってたようだ。そんなこと全然知らんかった、、、なぜか、時々置いてけぼりを喰らう、、、

で、こんな大晦日に漁をするのは魚を売るためじゃなくて、クイリョウ(食べるための魚)を獲るため。10日くらい魚を食べてないし、年始休みを考えるとまだしばらく食べられないから、このあたりでちょっと食べる分だけでも魚をとっておきたいから・・・しかしゴーヘーはしばらく魚を食べられなくてもいいから、大晦日に網などあげたくな〜い!(泣)。

なにが悲しゅうてこの大晦日に網をあげないかんのだと思ってたが、海に出てみるとあちこちに網をあげてるテンマが見える。みんな年寄りばかりでクイリョウを獲りに出てるんだろね〜。なんだか妙に感心してしまった。

網は南堤防の東側と中学校の下にやってあった。中学校の下の網には小さなアワビが2つかかってきてビックリした。大きさは5・6cmで小さくて可愛い。自然に発生したとは考えられないから、誰かが放流したんだろね〜。この近辺で漁をしてるモグリの連中(潜水漁の人たち)が放流したのかな?もちろん売り物にはならないし食べるのも可哀想なんで2つとも捨てた(逃がした)。


○1月3日(金)  <爆発危険!>

毎年この日は妹一家が年始の挨拶をかねて遊びに来る。毎年の恒例でお昼にみんなですき焼きをつつく。今年も例年通りやってきたのだが、なぜかゴーヘー父は船に行ってておらず、お昼の準備もしてなくてご飯さえなかった。毎年恒例のことなのになぜ準備をしないのか、一家が来る直前に起きたばかりのゴーヘーにはまったく理解不能。

夕飯が近づいた頃、ゴーヘーの部屋の下で漬け物石を床に落としたような「ドン!」という大きな音がした。ゴーヘーの部屋はキッチンの上にあり、音を聞いた時はきっと誰かが何か重い物を床に落としたんだと思った。少しして夕飯だと呼ばれたので寝てた甥っ子を起こしてキッチンに行くと、みんなの顔が妙にこわばっている。どうやら、すき焼きのために出したガスコンロにガスホースを繋いでガスの元栓にはめ火をつけたところ、元栓部分でガス漏れしてたらしく引火して小爆発を起こしたらしい。

元栓にはガス漏れ防止用のL型継ぎ手をはめて、それに同じくガス漏れ防止用の栓をつけたゴム管をはめるようになっていて、両者がはまらないとガスが流れない・はまるとガス漏れしない構造になっているのだけど、肝心のL型継ぎ手が元栓にきちんとはまっていなかったらしく、元栓側からガスが漏れていたらしい。

L型継ぎ手を元栓に差し込むのは力も技もいらない簡単なことなのだけど、これがなぜかうまくできなかったようだ。今日これをはめたのはゴーヘー父。問題なのはゴーヘー父の失敗は今日が2度目であること。以前もうまくはめられなくてガス漏れを起こし小爆発を起こしている。

本来1度元栓にはめたL型継ぎ手ははずす必要がないんだけど、いつの間にかはずされている(はずすのはたぶんゴーヘー母)。しかしこれよりも理解できないことは、L型継ぎ手をうまくはめられたかどうか自信がないくせに、ガス漏れを確認することなくガスを通して火をつけてしまうこと。はまってなければ元栓をひねった段階でガス漏れするから臭いでわかるのに、それを確認せずコンロに火をつけてしまうからいけない。

L型継ぎ手を元栓からはずさないように言っておいた。もしはずしても、今度L型継ぎ手を元栓にはめる時はゴーヘーを呼んでほしいと切に願う。

ちなみにゴーヘーのパソコンは階下のキッチンのガスコンロの上に位置している。夏の夕方など時々ガスくさい臭いがして慌てて台所に確認しに行くことがある。たいてい何事もなくて安心するんだけど、家での生活が妙に命がけな気がするのは気のせいでしょうか?


○1月7日(火)  <お仕事♪>

年末にT町にあるNPO法人の紹介でAccessの支援の案件があり、それに手を挙げて正式に引き受けることになった。本日その支援先の2団体に出向き打ち合わせを行ってきた。

1件は会員の名簿管理でもう1件は電話相談記録の管理。名簿管理の方は担当者が自作するのでそれを支援することが主な業務。電話相談記録の方は実際に作ることになりそう。話しを伺ったところさほど工数はかからないと判断したが、やはりゼロから作るのは時間と手間がかかる。

そこでその団体の本部が同様な業務を行っているとの情報から本部でシステムを作っていないか確認してもらったところ、Accessを利用して構築済みとのこと。それを取り寄せて支部の業務にあわせて改変して使っても良いこととなった。来週までにそれが届くそうなので届き次第調査する予定。

ちなみに1団体5万円&30時間の条件。バイトor内職としては割りによい仕事だけど、プログラムを作るとなるとちと厳しい条件だ。ま、自分にできることをやるだけだ。


○1月9日(木)  <久しぶりのコノワタ取り>

7日にゴーヘー父が引いてきたナマコのコノワタ取りをやった。いつもの水槽1つと発泡スチロールの箱に青ナマコが30コくらい。少ない・・・が、どのナマコもあまりドロを吐いてなくて、コノワタ取りに時間がかかった。いつものようにドウマンに入れて活かしてあったんだけど、ちょっと詰めすぎていたみたい。


○1月10日(金)  <ナマコ引き>

ゴーヘーにとっては新年初めてのナマコ引き。体が鈍ってるのを実感した。

いつも引くホウベは一度引いたら海苔が袋網の網目にびっしりとかかってきて網目が詰まり、とてもじゃないがナマコが引けない。去年はこんなことなかったのになぁ。ガニ網に続きナマコ引きも海苔でできなくなったようだ。参るね。

海苔が少なそうな中学校の前に移動し何度か引いてみた。網目が詰まっているせいか、小さなナマコが目立つ。捨てよう(逃がそう)としたらゴーヘー父が「取っておけ」というのでしかたなくカンコに入れる。小さいナマコを取ってしまうと来年が心配だし、コノワタ取りも手間がかかる割りに重さがないんだよなぁ(ホンネ)。

中学校の前もじきに見切りをつけイワテ(北側)に向けて走り出した。しばらく走って山田のテトラポット前まで行くと、YT兄弟がそれぞれ引いていた。ゴーヘー達も直ちにそこで引き始めたら、割合大きいナマコがよく引ける。彼らがこんなところまで来てるんでビックリしたけど、獲れたナマコを見たら納得した。大井前ではもう充分には獲れないからなぁ。

彼らは一足先に帰りゴーヘー達も11時には止めて帰ってきた。いつものドウマンに2つ分だから量としてはまぁまぁだが、小さいヤツが目立つのが残念。帰り支度をして活かしてあったカキを海から揚げて、良さそうなヤツを25コくらい持って帰ってきた。今夜はカキフライだ!


■エピローグ

ナマコが獲れないです(;_;)。きっと去年獲りすぎたんだよなぁ。
ただしバックナンバーを読むとわかるけど、去年もナマコは少なかった。そんな中、普通1月末日で止めるナマコ引きを、YS丸は2月いっぱい引いていた。それで小さいヤツまで取り尽くしたんだろな。誰も止めなかったし、もし誰かが止めるように言ったとしても「生活できんがや」と言われたら、それ以上何も言えない。冬に収入がないことは皆充分承知しているから。

新年早々暗い話しで申し訳ないが、来年の冬はもっと厳しいかもしれないなぁ。
というわけで、今年もよろしくお願いします。


■次回予告

Vol.33 「冬の風」 2003年1月25日(土)発行予定


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