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【Uターン漁師のゴーヘー通信】Vol.33 冬の風
                                    2003年1月25日発行
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■冬の風

皆さんご存じの通り、この季節日本各地は北西の季節風に晒されています。テレビやインターネットの天気予報で気象衛星ひまわりから送られてきた日本付近の画像を見ると、大陸から吹き出した風によって日本海に発生した筋状の雲を幾筋も見ることが出来ます。日本列島の日本海側は降り続く雪、太平洋側は北よりの乾いた風が吹いています。

この乾いた風は各地でその土地にちなんだ呼び名で呼ばれているようですが、ここ尾張地方では風上に位置している伊吹山にちなんで「伊吹おろし」と呼んでいます。伊吹山(標高1,377m)は岐阜県と滋賀県の県境に位置し、北から下ってきた伊吹山地の南の端にあたります。南側から眺めると意外にきれいな円錐形をしており、山の南麓には「関ヶ原の戦い」で有名なあの関ヶ原があります。

この伊吹山から強く冷たく乾いた風が、まさに「吹き下ろし」てくるように見えます。

伊吹山地から吹き下ろした風は濃尾平野を南東方向に下り、伊勢湾にでるものと名古屋から三河方面に吹き下るものにわかれます。三河方面に下った風はじきに三河湾に吹き出ることになります。風は障害物が何もない海上では強くなります。伊吹山から伊勢湾までは50km余りしかなく、海上に出た風は否応なく風速を増します。このため伊吹おろしは平均風速が8m程度、強い時には風速12・3mくらいになります。風速15m以上が「台風」ですから、瞬間的には台風に近いような風が吹いていることになります。

こうして風が強まったところにここ知多半島があるわけです。半島の幅は8km程度で風を弱める高い山もありません。知多半島は伊勢湾と三河湾の間に浮かんだ「島」ようなものであり、強い風は知多半島を吹き抜けていきます。

なんとまぁ、冬の漁に不向きな場所なんでしょう(苦笑)。

こんな風を利用すべく、うちの村で冬の漁の代わりに海苔養殖が盛んになったのは昭和30年代になってからのようです。もくろみ通り海苔はよく乾いたようですが、1軒あたりの生産量が少なくなかなか思うように儲からず、海苔養殖を辞める漁師が増えました。今では往時の半分程度に減りました。

ところで、伊吹山地の北側はあまり知られていない豪雪地帯のようです。ギネスブックに載っている「観測地点として世界でもっとも雪が積もった場所」は彦根地方気象台伊吹山測候所だそうで、1927年(昭和2年)2月14日に記録されたその積雪はなんと11.82m! 近所にある背の高い電柱やビルの3階程度の高さになります。あなどれず、伊吹山!




■今週のゴーヘー

○1月13日(月)  <成人式?>

どうやら世間では成人式らしい。成人式なるものは出席したことがないので、テレビのニュースで見たり新聞を読んだりしてもいまいちピンと来ない。そんなゴーヘーは昨年2度目の成人式を迎え現在不惑を驀進中。

さて、ナマコ引きであるが、7時半に海に出て行くと既にYT兄弟が浦内で盛んに引いていた。ゴーヘー達も浦口の灯台のそばを1回引いてみたけど、数匹のナマコが引けただけだったのですぐに先日の山田前のテトラポットそばに走った。テトラポットにそってマンガを引き、揚げてはまた引きを繰り返した。

途中ドロが袋網の中にたくさん入ってマンガが揚がってこないことがあった。海藻や貝殻、石などで網目が詰まってしまいそのままドロをすくってしまったみたい。狭く床が平らなテンマの上では踏ん張る場所もなくて、わずか3・4mの海底から引き上げるのに2人がかりで3分くらいかかった。マンガが揚がっても袋網を海中から引き上げるのがまた一苦労だった。一人では絶対に揚がらないだろなぁ。それにしても、よく、テンマがひっくり返らなかったものだ。


○1月14日(火)  <小ナマコ多し>

今朝はのんびり出漁。8時に中学校前で引き始めた。昨日に続き風もなく穏やかで空気が春めいている。

マンガの袋網は今日も海藻で目詰まりを起こしていた。細い毛のような藻がびっしりと付着している。テンマの上から覗いた限りでは海底には所々しか海藻がないのだけど、きっと海上からは見えない薄い藻がいっぱいあるのだろう。こうして袋網が目詰まりを起こすと更に石や貝殻や海藻が網の中に溜まってしまう。加えて本来なら網目から抜けていくような小さなナマコが入っている。たぶん1年生くらいだろう、身を固くした時との長さが多少サイズにバラツキがあるけどおおよそ10cm未満ばかり。大きいナマコもあるけど数では圧倒的に小さいナマコが多い。3分の2くらいはカンコに入れて残りは捨てた(逃がした)。

後半に急にカキが袋網に入るようになった。数にして20コくらい。お昼までに全部で30コくらいになった。


○1月16日(木)  <迷言(笑)>

コノワタ取りの最中、ゴーヘー母と話していたゴーヘー父が興味深いことを言った。名言(迷言?)だったと思ったけど、肝心の言葉を忘れてしまった。すぐに忘れるゴーヘー、鶏頭。


○1月17日(金)  <やる気なしモード>

8時には出られる状態だったけど、キッチンの窓から海を眺めているばかりでやる気なしモードのゴーヘー父。ゴーヘーも自分の部屋に戻ってのんびり新聞なんぞを読んでいた。じきに階段を上ってくるゴーヘー父の足音がして「おお?でかけるのか?」と思ったら、そのままベランダに出て洗濯物を干し始めた。やっぱ、お休みかぁとまた新聞を読む。

と、9時近くなってまた足音がして部屋の襖が開きゴーヘー父がちょろっと顔を出して「いくか?」と言う。「えっ、こんな時間から行くの?」という声を飲み込んで(苦笑)、階下に降りていった。

ナマコ引きは山田前でやったんだけど、1回で多くて10コ、少ないと3コという状態でやってもやってもナマコが増える気がしない。2時間ほど引いて止めてしまった。この調子では今月後半も連日お休みになるかもしれない。


○1月19日(日)  <故障>

朝エンジンを掛ける時から調子がおかしかった船外機が、9時頃止まってしまった。エンジン音が少しこもったような音がしてたので、プラグがかぶり気味だったと思う。2ストのエンジンなので低回転だとかぶりやすいため、アイドリング+αの回転で行うナマコ引きには適していないエンジンだけど、これを買った20年近く前ではごく当たり前の選択だったようだ。エンジンが古いということとプラグ交換をして1年以上経過していることもプラグがかぶった原因の一つだろう。

で、問題は再度エンジンがかからないこと!とまった場所は中学校の前なので流されてもじきに岸につくから問題はないけど、エンジンがかからないことにはそこから船着き場まで移動するのが大変。マンガを錨代わりに海に入れて、プラグをはずして掃除してスターターを引っ張ってエンジンを始動させようと奮闘した。しかし真っ黒になったプラグは布で拭いたくらいではきれいにならず、15分くらい繰り返した揚げ句諦めた。マンガを揚げてゴーヘー父がデッキブラシで、ゴーヘーがチリトリで水を掻いてテンマを岸に着けた。

ゴーヘー父が村の自動車修理屋さんにプラグを買いに行っている間、ゴーヘーは波と引き潮でテンマが岸に打ちあげられないようにしていた。プラグを交換するとエンジンはすぐにかかったので、またナマコを引いた。しかし30分もすると今度は袋網に海藻がびっしりついて目詰まりしてしまい、マンガを揚げる時にものすごく重くなってしまった。網についた海藻は簡単には取れず今日の漁はこれで止めになった。散々だ。


○1月22日(水)  <バイト2>

7日行って以来、先方がインフルエンザに罹患したため延び延びになっていた2回目の打合せのためにでかけた。電話相談の記録をパソコンに入れて相談内容の分析を行いたいという要望に応えるため、電話相談業務の追加ヒアリングと本部が作ったというシステムの調査が目的だ。

予定では本部が作ったシステムがメールで届いているはずだったが未着だった。急遽催促して送ってもらう。届いたそれを調べてみると作った趣旨が今回の客先である支部の要望と微妙に異なる。結論は「使えない」。あ〜、手間がかかることになっちゃった〜。

既存の電話相談記録簿の全項目のうち、匿名相談ゆえにいつも空欄になってしまう部分が多くある。今回はそれらを割愛して分析に必要な項目に絞ってパソコンに入力することとなった。次回までに機能と画面のラフスケッチを作る予定。


○1月23日(木)  <バイト1>

今日はもう1件のバイト先?に行った。朝9時、約束の時間になっても担当者が現れず事務所が開かない。雨が降って寒かったがガマンしてしばらく待つ。10分ほど遅れて担当者がやってきた。車通勤なので雨の日は混むみたい。

前回11日に出してあった宿題がまったくやってなくて、今日の予定が大幅に狂った。仕方なく宿題を片づけることにして、データベースのテーブル定義書の作成の支援を行った。バイト1は「支援」が主業務のため、ゴーヘーが作業するのではなく担当者本人が作業するのを側面から支援する。このテーブル定義書の作成も本人にやってもらい、疑問・質問に対し答える形で進めた。宿題として済ませてあれば、と思いつつ時計とにらめっこ。

作ったテーブル定義書にもとづき午後、実際にAccessのテーブルを作成する。宿題で画面レイアウトのラフスケッチを作成済みであれば、それの検討を行う予定だった。大幅に予定が狂い、改めて「予定は未定」だと感じる。作成終了後持っていったプログラムサンプルの説明を行った。

次回は宿題の出来を確認して望むこととなった^^;。


■エピローグ

テンマは船外機が故障(すぐ直ったけどね)、バイト1は宿題手つかずで大幅予定変更、バイト2は本部システムの再利用ができず新規作成。う〜ん、何をやっても不調?いえいえ、ゴーヘーの人生、いつもこんなもんです^^;。特にコンピュータのシステム開発は作業する人の負担が大きいモノ。できるだけ機能を絞って作業量を減らすよう努力するのみ。できれば、ハマリませんように!

さて毎日寒く太平洋側では乾燥した日々が続いています。冬に似合わないほど雨が降っても翌日の強風であっという間に乾燥します。インフルエンザも流行っていて例年になく強烈らしく、「インフルエンザ警報」なるものまで出る始末。こんな警報始めて聞きました^^;。皆様、くれぐれもご注意ください。特に小さなお子さんやお年寄りのいる家庭では、うがい・手荒いを励行し睡眠不足にならないようご注意ください。


■次回予告

Vol.34 「昔話:冬は借金」 2003年2月8日(土)発行予定


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