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【Uターン漁師のゴーヘー通信】Vol.34 昔話:冬は借金
                                     2003年2月8日発行
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■昔話:冬は借金

今年の冬はナマコが少なく風の日が多いという散々な冬となりました。それでもどうにか生活をしていられるのは、我が家が親子3人だけで扶養家族が少ないためという特殊要因?ばかりでなく、今は昔に比べて生活全般が楽になったためだと思っております。

高度成長期より前の大井の漁師の主な漁は「刺し網」でした。カレ網で言う「タテコミ」です。通年を通してこのタテコミをやっていたようです。今より魚が多い時代でしたが、伊勢湾・三河湾で刺し網で冬にたくさん獲れる魚がないのは今と同じです。ナマコを取って冬の生計を立てていたわけですが、今よりも取る人が多かったのできちんと管理もされていて、むやみやたらに取って収入を増やすわけにはいかなかったようです。取る人が少なくなった今の方が乱獲になってしまったのは皮肉としか言いようがないです。

当時は土建業が勢いを持つ前で冬場の働き口などないに等しい状態でした。そのため魚が獲れても獲れなくても出られる日はとにかく海に出て、午前中はナマコ引き午後はタテコミを揚げ、出られない日は網の手入れなどをして過ごすというのが冬の日課だったようです。

今のカレ網の漁師は夏の蓄えで収入のない冬を乗り切るか、もしくは陸(オカ)の仕事をして収入を得て生活をしています。海苔養殖をやっている人たちは冬も充分な収入があります。しかし、昔は収入がない冬は借金をして生活するしかなく、冬の借金は夏場の水揚げで返済する、そんな生活が当たり前だったのです。

ここで気づくのは、昔も夏場の収入が充分にあれば冬を無借金で乗り切れたのではないか?という点です。たぶん一部の漁師はそれを実現していたと思われますが、大半の漁師には無理でした。それは当時のタテコミ漁の難しさと船に乗る人数に問題があったためと思われます。

今でこそ網を入れる場所はデンタン(魚群探知機)を使って正確な場所を決めますが、昔はヤマテと呼ぶ陸上の目印だけが頼りでした。これを正確に覚えていないと毎回同じ場所に網を入れることが出来ません。新しい漁場を捜す際には魚が集まる場所に共通するある特徴を頼りに捜すのですが、デンタンがない頃にはその特徴をまさに「手探り」で捜すしかなく、これらの場所を簡単に知る方法がなかったのです。

また今の船のエンジンは一人でコントロールできるようになっていますが、当時は櫓か開発されたばかりのエンジンを使って動かしていました。網を海に入れる時には誰かが櫓で船を漕ぐか舵を取っていないと網が入れられないため、1パイの船には最低でも2人必要でしたが、2人乗ったからといって2倍稼げるわけではありません。人数が増えればそれだけ分け前が減ることになるので、良い場所を知らない漁師は少ない稼ぎがより少なくなったのでした。

こうした理由で夏場に余分に稼ぐことができない漁師が多かったので、昔は皆の生活がホントに生活が苦しかったようです。戦前では男の子は尋常高等小学校(今の小学校)を卒業すればすぐに漁師になり、戦後は新制中学(今の中学校)を卒業すれば漁師になっていました。働き手が増えたからといって水揚げが増えるわけではないので皮肉なのですが、自分が働けなくなったときのことを考えれば子供はどうしても必要だったのです。


今のカレ網は機械のおかげで一人でも漁ができ、生活全般でも昔ほどお金がかからなくなりました。船の上で携帯電話を使って気軽に話も出来ます。インターネットすら可能です。同じ国の同じ村のこととは信じがたいほどです。わずか40年ちょっとの間に劇的に変わったのです。おそらく日本中の多くの漁村で同様な経緯をたどったのではないでしょうか。

この変化が良かったのか悪かったのか今はまだわかりません。ただ一国民としては生活が楽になったことは嬉しいことですし、一漁師として願うのはこの先も安心して漁ができることだけです。




■今週のゴーヘー

○1月27日(月)  <土砂降り>

冬には珍しく土砂降り。11頃は東風も強く暴風雨という様相。そしてこんな日に限ってスーツ着て外出しなくちゃならない、、、行きたくな〜い(苦笑)。

で、今日は先週も行った団体の事務所への3回目の訪問日。前回までのヒアリングで電話相談業務のおおよその業務分析が終わっており(簡単な業務だしね〜)、今回はシステムに必要な機能と設計した各画面(手書き^^;)の説明を行った。費用5万円では余分な時間をかけれらないから機能は厳選、つまり必要最低限(苦笑)。

説明をしているうちに先方もいろいろやりたいことを思いつくのだけど、その都度今回はできないと伝えていた(苦笑)。そうしたら「別途予算を取ればできるのか?」と聞かれたので「はい」と答えた。どうやら本気で予算捻出をするみたい。ちょうど年度末だしね〜(笑)。

追加機能の数は多くないから金額的には5〜10万程度と予想。本体金額(5万円)より高いけど、有料ボランティアは本体限りだからね〜^^;。


○2月1日(土)  <3万5千円>

連日パソコンに向かう日々。ここ4日間上記システム(電話相談記録システム)の作り込みをやってる。もっともこのシステム作成がなくても、漁はお休みだから連日パソコンに向かっていることには変わりない(笑)。

月曜日の雨以来、毎日強風が吹きまくっている。結局1月下旬は毎日お休みになってしまった。ナマコ引きによる1月の収入は3万5千円。例年のこととはいえ、今年は特にひどい。思わず笑ってしまった。


○2月3日(月)  <1週間の風>

27日以来毎日風が吹いている。冬とはいえこれだけ吹き続けることも珍しい。27日に通過した低気圧がその後発達しすぎだよね。低気圧に近い北海道などはこちらとは比較にならない大荒れだろう。

今日は例の団体の4回目の訪問日だった。Access上で作った電話相談記録システムの画面を持っていって画面と画面遷移の最終チェック。内部はかなり作ってあるけど画面から影響を受けない部分が大半で、今日画面にOKが出たので残りの部分を明日から作る。ようやく先が見えてきた。


○2月5日(水)  <残りはテスト>

電話相談記録システムの作り込みがほぼ完了。残りはテストのみ。


○2月6日(木)  <こちらは・・・>

今日はあるNPO法人向けのAccessのコンサルティングのため外出。こちらは担当者の本業(大学院生)が忙しく進捗が芳しくない。ようやく画面ができたようなので今日そのチェックをしに行ったのだけど、作ってあった画面は実際の業務に合ってないものだった。担当者の中で業務分析がうまくできていなくて、やりたいことばかりが先行してしまっており、結果的に必要なモノが得られないジレンマに苦しんでいる様子。

業務は名簿を利用したイベント用DM発送と出席者の管理なので、名簿から出席者個人を検索するより、イベントを選んで出席者を表示する画面が業務にあっていることを説明した。その時に必要な画面を説明して作ることを指示した。2月中の稼働は無理な様子。


■エピローグ

今週の日記は漁師の日記とは思えない内容(^^;)。自分で書いてて「なんだか難しい」と思ってしまいました(-_-;)。漁師がこんな面倒で難しそうなことやってるのは変!(笑)

あ〜、どこにいても常に人と違うことをやってしまう、占いでは常に「一人が好き」とでてしまう、ゴーヘーでありました。ええ、世間から見たら得体が知れない漁師(笑)の中に混じっても、異端なんです(爆笑)。

さて、すでにご存じの方も多いでしょうが、先々週からサイトの方で「今日の風」のコーナーを追加しました。Yahoo!天気予報のアメダス画像へリンクを張ってるだけなんですが、中部から近畿にかけて現在吹いている風の様子が見られます。知多半島付近の風向きと強さを示す矢印に注目し、見守ってやってくださいm(_ _)m。


■次回予告

Vol.35 「カレイのいる場所」 2003年2月22日(土)発行予定


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