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【Uターン漁師のゴーヘー通信】Vol.36 春一番
                                    2003年3月8日発行
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■春一番

折しも昨日から暴風雨です(これを書いている今は金曜日)。昨日の午後から東風が強くなり夜には家を揺らす程の風が吹きつけてきました。今日の午前中の三河湾は東から2m前後の高い波が押し寄せて、雨こそ収まったものの10時点の風速が10mを越す大荒れの天候となりました。

この天候は本州南岸にある発達した低気圧のためですが、今週初めはやや北よのコースをたどって低気圧が東に進みました。その結果3月3日の関東地方や北陸で春一番が吹き荒れたようです。東京で21.4mの最大瞬間風速を記録した模様。

この時知多半島ではそれ程強い南風は吹きませんでした。春一番となるためにはいくつかの条件があるそうですが、中でも風速は大きな決めてとなっていて風速8m以上でないとだめらしいのです。東海地方の北にある北陸で春一番となったのに、東海地方の特に知多半島近辺では春一番と呼べるほどの風は吹かなかったのです。

これには地形的な要因があるそうです。三河湾の南には渥美半島が東西に横たわっていて、山の高さは200〜300m程度ですが三河湾に吹き込む南風を遮るには充分な高さです。一方の伊勢湾の南側には志摩半島が東に突きだして南風を弱めています。これらの半島と山のおかげで伊勢湾・三河湾には春一番の条件を満たす強い南風が発生しにくいようです。

実際ここ30年間の名古屋での春一番発生日数はわずかに7日。名古屋周辺の多いところでも10数日。一方南に開いた地形の静岡での春一番発生日数は21日に及ぶそうです。春一番はやはり地形の影響を随分と受けるようです。

このように春一番発生日数が少ないせいか、春一番という言葉は知っていてもそれを強く意識することがカレ網の漁師の中では少ないようで、「春一番が吹いたら〜」のような言い回しがありません。冬の間北西から吹いていた風が少し弱まって南向きに変わったくらいにしか思っていないようです。

さて、春一番という言葉には新しい何かを期待させる響きを感じますが、春一番があまり吹かないこの漁村でも2年前からケーブルテレビののインターネットサービスが始まりました。先月からはNTTのADSLサービスも始まり、競争による効果かケーブルのダウンロードスピードもアップしてサービスが向上しました(嬉)。

春一番は吹かなくても新しい風がこの漁村にも吹いて来ているようです。




■今週のゴーヘー

○2月25日(火)  <ピーピー?>

朝コンビニの旗がゆらゆら揺れていた。中途半端なその揺れ方は西の風の様相。軽トラで走り出したら、コンビニ正面の旗が東向きに強くはためいていた。やはり西の風が吹いているようだ。船着き場に行くと海面がきれいにシマケていた。う〜ん、出るのね〜(苦笑)。

船を一色方面に向けて走らせると左(ちょっと左前よりかな)から横波が来る。去年も今頃こんな横波を受けながら梶島へ向けて走ったことがあったなぁとぼんやり思い出した。

一色前に着くと矢作川河口付近の海苔ソダの間で網をやった。11時半頃までやってちょっと大きめのカレイが10枚くらい、中ガレイが6枚獲れたので、重さにして6kg程度。キロ1,800円だったら1万円あるんだけどなぁ(希望)。

終わる少し前、風向きが少し西よりになってより強く吹きつけてきた。それで漁を止めて帰ってきたんだけど、大井の海田前の海苔枠付近まで来た時急にブリッジ内でピーピーと音が鳴った。丁度下っていく(南下していく)コウナゴ船の50mくらい前をこちらの船が横切ったところだったので、こちらが急にスピードを落としたを見て向こうの船もこちらの異常にすぐに気づいて速度を落とし近寄ってきてくれた。

音はすぐに水温計の警告音だとわかった。左舷の放水口をみると冷却水がまったく出ていない。風に流されてキイタンポ(黄色の航路標識)に近づいていく(来る?)のが気になったけど、とにかく原因を確かめるためゴーヘー父がエンジンルームへ入る。すぐに冷却水ポンプにゴミが詰まって水が流れなくなっていたことがわかり、ゴミを取り除いたら水が巡回し放水口から湯気を立ち上らせて水が出てきた。警告音も収まった。急ぎなのに心配して声を掛けてくれたコウナゴ船の船長に大声でお礼を言って走り出した。


○2月26日(水)  <珍しい>

今日も矢作川河口付近で網をやった。SK丸とIY丸もそばでやっていた。うちらと同じくあちこち移動してたから、うちらと同じでカレイが余りつかまらんかったんだろう。獲れたカレイは全部で10枚だったけど、この時期には珍しくコチがかかった。中の下くらいのサイズ、はたしていくら?

仲買に魚を持っていったけど勘定は後日だった。代わりに先週の勘定をくれた。2日分もらって明細を見たらカレイのキロ単価が1,200円と1,300円也。明らかに去年より安い、500円くらい安い・・・・はぁ〜。


○3月3日(月)  <3月〜♪>

4連休だった(苦笑)。よって今日が3月最初の出漁日。でも昼前には雨になりそうな天気予報だった。

久しぶりに梶島へ行った。桟橋近辺で網をやったけどカレイが2・3枚しかかからない。吉田港前で一クリやってカラだったのでまた梶島へ戻って赤灯台や磯の東で網をやった。時折カレイがかかる。ん〜、どこにいってもカレイがつかまらない。「(宮崎漁港の漁師が)夜建て(夜のタテコミ)でもやっとるのかいなぁ」とゴーヘー父が呟く。

10時頃宮崎港から人をたくさん乗せた船が出てきて梶島の桟橋に着いた。その後も何艘もの船が同じように人を運んできた。どうやら梶島の浜掃除(海岸の清掃・ゴミ拾い)らしい。近々梶島の潮干狩りが解禁になるのだろう。

お昼間近天気予報通り雨が降ってきた。明日はまた風だ。


○3月6日(木)  <素手?>

一昨日あたりからまた朝の冷え込みが少し厳しくなった。日差しは春だけどちょっとだけ冬に逆戻り。午後から雨の天気予報で空は朝から一面の雲。時折雲が切れて日が差し込んではまた雲に覆われることを繰り返した。

ちょっと体を動かすと寒さを感じなくなるけど水はまだ冷たく、海水温は7〜8度くらい。こういう状態なのでゴム手袋は手放せないんだけど、SK丸は右手軍手・左素手で網を手繰っていた。右手は網を手繰ったり魚や汚れを取ったりするので軍手をはめてるのだろうが、軍手では手は濡れ放題だから冷たいはず。左手は網を持っているだけだから素手なんだろうが、これまたびしょ濡れになるから冷たいはず。網を手繰ると体が火照ってくるけど手が濡れたらかじかんでうまく動かない。SK丸は手がかじかまないんだろうか・・・平気なんだろうか・・・そういう体質なんだろうか?^^;

午後は急速に天気が悪くなって春の嵐となった。


■エピローグ

冷却水ポンプの目詰まりはその後内部の羽が破損していることが判明。羽は硬質ゴム製で実は消耗品らしく2年に一度は交換するモノらしい。前回の交換から既に3年経過しており数枚あった羽のうち残っていたのは2枚のみ。ダメだこりゃ(苦笑)。


■参考

名古屋地方気象台の観測データ


■次回予告

Vol.37 「黄砂」 2003年3月22日(土)発行予定


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