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【Uターン漁師のゴーヘー通信】Vol.39 香水の香り
                                   2003年4月19日発行
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■香水の香り

たまに車で街の方へ行くことがあります。バイトで行ったり遊びに行ったり本屋さんへ行ったり。車のエアコンを入れて走っていると当然外気は車内に入ってきません。帰ってくる車内には街の空気が残っています(^_-)。

うちについて駐車場に車を止め車外に出ると一瞬強い磯の香を感じます。大した距離を走ったわけじゃないのに、「ああ、帰ってきたなぁ」と感じる瞬間^^;。

しかし、この磯の香、すぐに鼻が慣れてわからなくなってしまいます。日常を海のそばで暮らしているので、鼻が慣れるのが早いのかも知れません。

香水やコロンなどで海をイメージした香りがありますが、かいでみると清々しい香りであることが多いです。実際の磯の香はこれら海をイメージした香水やコロンの香りとはかけ離れていて、実際の海がテレビや映画で見る海とはまるで違うのに似ています。

一方、海の上にいると磯の香を感じることはなく、風に乗ってオカ(陸)から漂ってくる怪しげなの臭い?や、たまにどこかの船が捨てた油の臭い以外は、無臭です。

網にかかる魚も海から上がった瞬間はほぼ無臭ですが、赤エイはちょっと泥臭いです。煮付けにして食べるとおいしいそうですが、ちょっと食べる気が起きません(^_^;)。死んだ魚やウニ、ヒトデなどが網にかかってくると、猛烈に臭いです(笑)。

網にかかってくる「臭いを発するモノ」の中で特に異彩を放っているモノがあります。以前「今日のカンコ」で「香水の香り」と題して写真を掲載したこげ茶色のウミウシです。写真はウミウシを水から出して撮影したので、なんだかグロテスクな物体に写っていますが、このこげ茶色のウミウシ、とても芳しい良い香りがするのです。まるで女性用の香水そのもの。やや派手な強い匂いはお水系の商売をする女性用にぴったし。ネットで調べても名前が解らないので、密かに「香水ウミウシ」と呼んでいます(笑)。

この「香水ウミウシ」、小さい時から良い香りがします。大きくなるとソフトボール2個分くらいの大きさになりますが、体が大きい分匂いもより強く発しています。大きなヤツが網にかかってくると、その匂いで頭の芯がクラクラするほどです(@_@)。


冒頭で書いたように時々街へ行きます。そこでこの香りと似た香水を付けた女性とすれ違うことがあります。反射的に「あ!?香水ウミウシ」とその女性を見てしまいます(^^ゞ





■今週のゴーヘー

○4月5日(土)  <寒っ〜>

雨が降り北西の風が強くて、桜の花を散らす春の嵐の様相。

昨日に続いてまた有料のアサリ場に入ってアサリをかき始めた。かき始めてすぐ失敗したと気づく。北西の風が強く高めの波がこのアサリ場にも押し寄せ来て、海は濁り、気を許すと波に押し流されそうな程。しかたなく浅いところでアサリをかく。しかし思うようにアサリがでないんで、慎重に深い方へ移動。

水の濁りのため海底の様子がよくわからず、靴底で砂地を捜しながら移動する。途中で一時的にやや波が収まりはしたが、じきにまた波が大きくなってきた。今日はホントに失敗だった。


○4月7日(月)  <暑いっ>

週末の寒気が残っていたようで朝は少し冷えた。でも日が高くなるにつれ次第に暑くなってきた。セーターやトレーナーを脱いでもまだ暑い。上着の冬用ヤッケ&毛糸の帽子が敗因(笑)。

漁の方はすこぶる順調。オクゴオリにもようやくカレイが上がってきたようだ。5クリ目にカレイ11枚(大4枚)、続く6クリ目にカレイ6枚+大マタカ(スズキ)、9クリ目にはカレイ5枚+コチ、11クリ目にはクロダイ、昼飯を食べた直後にカレイ5枚(大1枚)などと、楽しい1日だった。

この大マタカは体長がざっと70cmはあり、普通カレ網にかかるような大きさじゃなかった。それが網を二重に巻いて網にもたれるようにして上がってきた。エラが網糸で押さえられて呼吸がうまくできずグッタリしており、慌てて網からはずしてカンコに滑り込ませた。体内の浮き袋に空気が入りすぎたようでお腹を上に向けてゆらゆらしていたので、しばらくしてからゴーヘー父が腹びれに錘をつけて姿勢を正してやった。錘をぶら下げたままゆっくり泳いでいたけど、その後錘が取れてもちゃんと腹を下にして泳げるようになったのでよかった。

午後仲買に魚を持っていくとやはり他の船もカレイをたくさん持ってきていた。カレイ30数枚の大漁だったけど、他の船も大漁だからカレイの値段は10%下がってしまった。この調子が続くようだとじきに札場(市場)が始まるなぁ。もちろんその方が嬉しい。


○4月11日(金)  <ペラに網を巻く>

夜半から東の風が出てきて4時にはかなり強めに吹いていた。浜の様子を見てきたゴーヘー父はそれでもかなり迷っていて、しばらく様子を見ることになった。

6時、「いくぞ」の声に飛び起き外の様子を確認すると凪いでいた。慌てて支度をして船に行くと他のカレ網はすでに誰もいなかった。東からの波はやはり少し高めで本来は西浦に行くべき所だけど、時刻が遅いので梶島へ向けて走る。

桟橋前で2クリ目をやった時、1本1kgもある大ゴチがかかってきた。頭だけが網に引っかかって体は網から出ていてちょっと頭を振ったら網を引きちぎって逃げていきそうだった。タマ(タモ網)ですくい無事船に揚げることができた(^_^)。

次の3クリ目を上げようとしていつものようにボンデンに近づいた時、船の勢いがいつもよりちょっとだけ余分にあり加えて東からの波で揺られたせいもあり、ゴーヘー父がボンデンをつかまえ損ない船の後方へ流れていった。慌てたゴーヘー父が急なゴスタン(後進)をかけたため、ペラが引き起こした水の流れにのって網が舞い上がってきてペラに絡まってしまった。風と波で船はシマ(岩)の方へ流されるけどペラは回せない状態で、かなり焦る。

モカギ(ひっかけ竿)で網を海中から引き少し手繰り、ペラ側の網をしっかり引っ張ってペラを少しずつ回してどうにか網を引きちぎった。網はペラに巻き付いたままだけどペラはちゃんと回るので、そのままお昼まで漁を続けた(-_-;)。

魚を売って港に戻ると小雨が降り出した。すぐにトモ(後ろ)の船底の小窓を開けてペラに巻き付いた網をモカギで引っかけて、どうにかはずした。全部取るまで40分くらいかかる・・・疲れた〜。


○4月13日(日)  <西の風>

朝家を出て歩き始めると後ろから風がふわっと吹いてきた。どうやら西の風のようだ。コンビニの旗は微妙な揺れでとりあえず船着き場まで行ってみることにした。

北の船着き場のそばを通りかかったら船のそばに人影が見えたのでそちらに車を進めると、TA丸とSK丸が話していた。開口一番お互いに「風だがや」と苦笑。海面はえらくシマケていて(さざ波が立っていて)風が妙に冷たい。うだうだしていたらOA丸が弁当も持たずに手ぶらで歩いてきた。全然やる気無し(笑)。

そこへテンマ(小舟)が戻ってきた。HA丸がタテコミをやって戻ってきたらしい。すぐに大船(おおぶね)のエンジンをかけて出て行った。みんな防波堤の根元へ移動し梶島へ向けて走っていったHA丸を冷ややかに見送った。彼はいままで海苔で忙しくてカレ網に出られなかったんで、梶島の様子が苦になって(気になって)しかたがないらしい。やはり自分で確かめなくちゃね〜(苦笑)。

6時のサイレンが鳴ったので解散してうちに戻り朝飯を食べた。8時半過ぎ頃西の風が北西の風に変わり猛烈に吹いてきた。


○4月14日(月)  <ウロウロ>

船着き場へ行くと海面はきれいにシマケていた。しかし皆出た後だった。最近休みばかりだったから少々無理をしても今日は出たんだろう。我々もすぐに船を出した。

港を出ると多少波があったがオクゴオリに行っても漁はできそうなくらいだったんで、ゴーヘー父は船をオクゴオリに向けた。日間賀島と篠島の間を抜けて10分くらい経った頃だろうか。あたりが随分明るくなってきて海の様子がよく見えるようになった。それまで追い風と暗さで気づかなかったんだけど、まわりの海一面白波が立っていて、50cm前後の波が船の後ろからやってくる。このままオクゴオリに行ったら1m前後の波の中に入ってしまうので、急きょUターンした。

正面から波を受けたら今までと同じ様には走れずエンジンの回転を落とし、船の速度は半分程度になった。30分近くかかって来た航路を戻り日間賀島を過ぎてから一色へ向けて走った。いつもは一色まで片道15分のところを今日は遠回りして1時間15分もかかってしまった(T_T)。

一色で5クリ目のこと。アサリマンガ船がうちの網のそばを通り、マンガの袋網でウケを引っかけてしまいちょっと焦った。運良くすぐに外れたからよかったけど、あのまま外れなければ網をずるずる引っ張るか、相手の船のペラに網が絡まったかもしれない。そもそも広い海の上でわざわざうちの網のそばを通らなくてもいいと思うのだが・・・。そんな一色での漁は背中の擦れた大ゴチと小さなカレイ2枚だけだった。

9時頃風が収まったんでもう一度オクゴオリへ行った。しかし漁の方は大ガレイ2枚、中ガレイ3枚、小コチ1本、セイゴ3本、ハゴ1枚だけだった。


○4月15日(火)  <春雨>

東風が少し強かった。風速3〜4m程度で波も少しある。こういう時は西浦(常滑方面)が凪いで漁をしやすいから、ゴーヘー父は迷うことなく船を西浦へ向けた。明神様(知多半島先端の岬)を回って豊浜前あたりが一番波が大きかったけど、それ以後は穏やかになり代わりに小雨がぱらついてきた。

小野浦まで行くとTA丸とOA丸が網を揚げていたのでその近くで網をやる。網を揚げ始めたら大量のアオサがついていて、最後までずっとそのままだった。もちろん魚はゼロ。アオサで満船しただけだったが、他の二船も同様だったみたいで無線で嘆いていた。この後上野間(かみのま)や小鈴谷(こすがや)で網をやったけどカラが多く、10時過ぎまでやって中ガレイ1枚、小カレイ3枚。さすがに嫌気がさしてきて帰ってきた。


○4月16日(水)  <霧>

起きたらものすごく濃い霧だった。50m程度しか離れていないコンビニの広告塔の灯りが霞んで見えた。明るくなって霧が晴れてから出港となったが、今丁度春の大潮で今日からまたアサリかきができるのでゴーヘーはそちらへ行くことにしてのんびり寝た(笑)。

9時に起きると(^_^;)まだ沖の方は霞んでいて島も見えない。チッタナポリのナポリタワーさえ霞んで見えるので今朝の霧はほんとうに濃い霧だったようだ。

10時を回った頃慌てて支度をしてアサリかきに出た。有料(3千円)の場所なのでできるだけ長い時間アサリかきをしたいから、今日は9時半頃出て行っても良かったかも・・・。今回は前回よりもう少し下り(南)側でかいた。海藻が浅瀬に寄ってきていてかきづらいのでできるだけ海藻の無い場所を選んでかく。ここもかく人が少ない場所らしく大きなアサリが出てきたり、まとまって20コくらい出てくることもあった。午後2時まで3時間半ちょっとかいて大中あわせて19kg。なにげに今期最高(^_^)v。


○4月17日(木)  <ミニドック>

町主催のミニドックがあり検診を受けてきた。毎年受けている健康診断に胃の検診が加わった程度のものでやや拍子抜け。胃の検診ではバリウムを一気飲みしたんだけど、やっぱり気持ちの良いものじゃない(苦笑)。

ミニドックは1時間ほどで終わり10時には家に戻ってきた。で、早速支度をしてアサリかきに出た。今日は観光客向けの場所に出陣。マンガが使えず手かぎしか使えない場所だけど、組合員向け5kg無料券があり(^_^)、観光客向けの場所ゆえそれなりの量を確実にかくことができる。例年ここでかいたアサリを2キロパックにしてお世話になった人たちに送っている。

去年はアサリが不漁でその上「かき時」を見誤って充分な量のアサリがかけなかった。今年も地域全体のアサリは不漁のようだが、去年の失敗の反省を踏まえ、今回の春の大潮で通常より多く潮が引く時を狙った。それがうまく成功して、今日は首尾良く13キロのアサリがかけた。よ〜し!(^-^)


■次回予告

Vol.40 「スナメリ」 2003年5月3日(土)発行予定


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