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【Uターン漁師のゴーヘー通信】号外 読者Mさん、船に乗る!
                                    2003年5月11日発行
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読者のMさんがゴールデンウィークを利用して「一日体験漁師」となるため、我が家にやってきました(^_^)。ゴーヘー通信始まって以来の記念すべき事件?なので、号外としてその顛末をご紹介致します♪。


■4月上旬 <メールが入る>

Mさんより「いつか漁を見学させてほしい」とメールが入る。普段と変わりない出港時刻・帰港時刻になると思うけどそれでも良ければ、と返事をしたところ、「ぜひ今年中に」とのお返事(^^)。

船に乗るためには前日こちらに来て当日朝から一緒に出かけて漁に出て、翌日帰るという2泊3日のスケジュールになる。交通の便にもよるが1泊2日は帰りがかなり強行軍になってしまうので、やはり2泊3日はほしい。加えて天候も漁も安定する時期となると自ずと日程が限られてくる。

夏は天候・漁ともに良いが、土曜日が休漁日となってしまうので×。会社も簡単には休めないんで、いろいろ相談・検討した結果、GW期間中の5月3〜5日が良いだろうとなった。

この頃は朝の最低気温が11〜15度、日中の最高気温が20〜25度程度なので服装はトレーナーや薄手のセーターやヤッケが必要なこと。濡れるのでカッパと長靴が必須。日差しよけにつばの広い帽子(麦わら帽)などが必要なことを伝える。長靴と麦わらは持っていないのでこちらで購入することとなった。


■5月3日(土) <Mさん、来る!>

オクゴオリでの漁を終えて魚を仲買に売った後、すぐにうちに戻ってきて支度をして電車の終着駅まで迎えに行った。Mさんからは予定通りの電車に乗ったと携帯にメールが入る。待ちに待ったことなので妙にドキドキしながら車を走らせた(^_^)。

丁度この週末大潮に重なり、途中の潮干狩り場はどこも大変な人出で各駐車場は激込み状態だった。「混んでるなぁ」と横目で見つつ車を走らせていると、前方の思いもよらいない場所で渋滞しているのを発見。駅までの道のりはまだ半分程度残ってる(-_-;)。到着時刻まで残り約15分。イライラしてると、渋滞の先頭が見えてきた。潮干狩り場の駐車場へ入る右折待ちの車のための渋滞だった。

それを過ぎて少し走ったらまた渋滞。今度は本格的な駅前方面への渋滞。残り10分でここから渋滞を走っては絶対間に合わない。すぐに抜け道へハンドルを切りくねくねと山道を走り抜け、反対方向から駅前通りに入った。電車到着の1分前、無事駅前駐車場に滑り込む。よかった〜、間に合った♪

電車が到着して降りてくる乗客を順々に確認。初顔合わせなので少し不安になりながらも最後の方でMさんを発見し改札を出てきたところで挨拶。ちょっと安心(笑)。ネット特有の「よく知ってるけど初めて会う」というぎこちなさも感じたけど、それも車に乗って話してるうちに次第に感じなくなった。ネットって不思議〜(^o^)。

うちについて車から出るとMさんが「潮の香りがする」とびっくりしてました。ゴーヘー父母には「友人」ということで紹介。このメルマガとホームページのことは彼らには内緒なのであった(笑)。

紹介が終わると休憩もそこそこに、軽トラに乗り換えて早速漁村観光。まず、うちの船に案内してカレ網やカンコの中のカレイ、ブリッジ内を見てもらった。カンコの中の海水は「ヒ」を通って少しずつ入れ替わること、船を走らせると自動的に海水が入れ替わること、隣にあるテンマ船に乗り移りテンマのカンコも見せ、こちらは走っても入れ替わらないことなどを説明した。

今考えると、この時船やカレ網ついてもっと説明した方が良かったと思う。ゴーヘーはややテンションが高すぎてなんだか上の空だったみたい(^^ゞ。

札場(ふだば:市場)の開始が1日から6日にずれ込んだため、予定していた実際の入札風景が見られないので、この後リゾートマンションが立つチッタナポリへ行き、三河湾を望みながら島や船・海岸などについて話した。天気も良くそよ風が気持ちいい〜♪。

次に師崎(もろざき)漁港の北側で軽トラを止めて釣り人を見学したり、羽豆岬へ行くも駐車スペースが見つからず諦めて戻ったり、そこから海岸線沿いを北上して豊浜漁港にある「魚ひろば」に行って中をざっと冷やかした後、市場へ行くもお休みでがらんとしてた。帰りがけにうちの畑に寄ってイチゴを収穫しようとしたけど、今年は気温が低いためか数えるほどしか実がなく皆形が悪く収穫せず。あ〜、みんな中途半端、なにやってんだか(^_^;)。

うちに戻るとゴーヘー父は魚を取りに船に行っていたので、Mさんをうちに残しゴーヘー父を迎えに船に行く。再びうちに戻るとMさんはゴーヘー母から内職で作っている網のことを聞いていた。間近で見る網に少し興奮気味のMさん(^_^)。

夕食はゴーヘー父母といっしょに4人で食べた。Mさんに気を遣って頂いたせいか、ゴーヘー父母との会話も弾み心配は杞憂に終わる。意外に良く話すゴーヘー父にMさんもちょっとビックリ(^_^;)。食事が済んで程なくお風呂、そしてすぐ就寝(笑)。だって明日は3時起きだから〜。




■5月4日(日) <Mさん、船に乗る!>

3時にちょっと過ぎ、遠い目覚ましの音でおもむろに起きる。Mさんの寝る部屋の障子が既に明るく気合い充分な様子が伝わってくるが、ゴーヘー父はまだ起きていない(^^;)。Mさんが一足先に階下の洗面所へ行く。ゴーヘーも支度をして階下へ降りていく。ほどなくゴーヘー父も起きてきてすぐに支度を始め弁当を用意して3時40分頃うちを出た。ゴーヘー父は自転車で船へ、我々二人は軽トラに乗りコンビニで朝食用のパン・おにぎり類を購入してから船に行った。

今朝は昨日までのような冷え込みもなく気持ちのよい朝となった。船の上は露でびしょびしょだったんで、Mさんにはブリッジの中に入ってもらった。夜明け前の暗い海の上はMさんの目にどう映っただろう(^-^)。

4時50分頃、いつものようにオクゴオリで漁を始めた。今日はかかるカレイもコチも少し小さい。3クリ目に大ガレイが1枚、ゴイカ(コウイカ)が1つかかった。せっかくMさんが乗っているのだから、数がたくさんかかるかビックリするような大ガレイや大ゴチでもかからないものかと思っていたら、5クリ目になにやら重い物がかかってきた。ゴーヘー父がフーフー言いながら網を揚げていたら、灰色の木のようなモノが海底から見えてきた。

なんと長さ1.8mはあろうかというサメだ。頭から網に突っ込んでヒレが引っかかって網から抜けられなくなったらしい。鋭い歯で網を噛み切ることもままならずおとなしく上がってきた。しかし船の上では頭を左右に振って暴れる暴れる(^_^;)。ゴーヘー父が片手でしっぽを持ち片手で網をはずしにかかり、ゴーヘーがモカギ(かぎ棒)で網を引っかけてそれをサポート。暴れるんでしっぽを持つゴーヘー父の手が外れたけどモカギでどうにか網をはずし、更に暴れるサメの頭をゴーヘー父が踏みつけ一瞬おとなしくなったところを、ゴーヘーがしっぽを掴み船の外へ放り投げた。

サメは時々かかることがあるが、こんな大きなサメは初めて。あまりに大物、あまりにビッグイベント過ぎ!(笑)。直後、Mさんに「写真を撮ったか」と聞いたら、我々二人があまりに自然にサメと格闘してたので「普通のことなんだ〜」とただ唖然として見ていた、との回答。いや、ビッグイベントだったんだって!(笑)。

サメがいるようではダメなんで、網を揚げると東へ走った。今年初めてだ。しかしここでもイベントが待っていた(笑)。

最初はガランガランを引いている時に、ガランガランがツキ磯に引っかかった。ここでは年に1度くらい引っかかるんだけど、いつもはすぐに外れる。それが今日はなかなか外れない。余程うまく引っかかったらしい(苦笑)。船を前後したり回して引く方向を変えたりして、無理矢理何度か引っ張っていたら2分ほどしてなんとか外れた。

次は網を揚げ始めた時だ。今度はリモコンのクラッチが切れなくなった。ずっとゴスタンしたままとなり、ゴーヘー父は冷静に舵を切って船を回した。慌てたゴーヘーは、またエンジン側でクラッチケーブルが切れたと思いエンジンルームの被い板をはずしていたら、ゴーヘー父がブリッジ内のクラッチを操作してクラッチを切った。なんだ、そこで切れたのかぁ(苦笑)。一旦切れたらリモコンでもちゃんと動作するようになり、その場で一周していた船をまた回して元に戻し網を手繰った。

東では2クリでやめて今度は梶島へ走った。無線で他の船がそろそろ帰るようなことを言っていたので、まだお昼には間があったけど、梶島で2クリだけやって帰ってきた。

昼飯をうちで食べ食卓でゴーヘー父を交えてしばしおしゃべりした後、Mさんと海岸へ散歩に出た。折しも海岸は潮干狩り客であふれかえっており、バーベキューをやっている集団もある。浜辺には打ちあげられた例の「香水ウミウシ」がゴロゴロしてたんで、ちょっと指でつついて匂いをかいでみたりした。Mさんが知るウミウシに比べサイズが大きく、打ちあげられて時間も経つので匂いもちょっと変。「香水ウミウシ」はあまり賛同を得られなかった(笑)。


■5月5日(月) <Mさん、また船に乗る!>

Mさんは今日の午後の電車で帰路につく予定とのことだったので、お昼までは時間がある。相談の結果、Mさんは今日もまた船に乗ることになった(^-^)。

今日は、昨日TE丸がカレイをつかまえてきたらしい生田鼻沖(いくたのはなおき)へ直行。しかしカレイより白いヒトデと赤茶色の小さいガニがたくさん網にかかるばかり。どちらも網に付いたままでは次の漁ができないので、ガニは踏んで潰しヒトデは手で網からはずした。踏みつぶしたガニは網についたままとなり、そのエキスが海中で拡散して更にヒトデやガニを呼び寄せる悪循環。しかし踏みつぶすことに執念を燃やすゴーヘー親子はそこまで気が回らない(苦笑)。

このためヒトデがわんさかとかかってはずすのに時間がかかり、網揚げにも時間がかかるという悪循環。はずすのに腰を曲げることが多いので腰も痛い。おまけに好天でやや暑い。なんてこった(;_;)。

今日の漁では2度ほどカレイが10枚以上かかったクリがあり、Mさんにも「大漁?」と聞かれたけど、カレイが小さかったのが残念。TE丸はすぐ近くでやっているから、昨日もたぶんこの近辺でカレイが獲れたはずなんだけど、今日の我々にはかからない。かかるのは赤茶色のガニとヒトデばかり。

昨日も今日も酔うことのないMさんは、随分船にも慣れた様子で時々ゴーヘー父と話している。我々が網を揚げている最中はオモテに置いてある網カゴの上に座って、漁の様子を眺めたりカンコをのぞき込んだりしている。単調な船の上だけどあまり暇をもてあましてる様子もなく、のんびりと船上を楽しんでくれている様子。

漁も終わり仲買に魚を持っていった。ゴーヘーが仲買から船に戻ってくるとTE丸が台船(桟橋)に船をつけていた。カンコから中ガレイ以上の大きさのカレイをざっと15〜16kgくらい上げていた。網もほとんで汚れていない。一方我々の網は踏みつぶした赤茶色のガニで随分汚れている。TE丸は今日はずっと我々のそばでやっていたのにこの差はなんなんだ!?。Mさんもあまりの差にビックリしていた様子。

お昼に帰ってきて船からオカ(陸)に上がると急にムシッと暑くなった。Mさんも思わず「海の上って涼しいんだぁ」と呟いていた。締め切った軽トラの車内もとても暑くなっていた。

うちに帰ってひと風呂浴びた後、食事をしてしばしくつろぐ。Mさんはすっかりゴーヘー父のよい話し相手となっている(^_^)。名残惜しいけど次第に電車の発車時刻も迫って来たんで、支度をして電車の駅まで送っていった。

道路は予想外に空いていて予定よりずっと早く駅に着くことができた。発車の時刻までしばし喫茶店で雑談。Mさんの趣味のダイビングの話しを聞いた。ダイビングって面白そうだけど、この三河湾では透明度が低いから楽しくないかもなぁ・・・そんなことを考えながら話しているうちに、発車時刻が迫り喫茶店を出て駅の改札で手を振って分かれた。この2泊3日でうちにすっかり馴染んでくれてたんで名残惜しかったなぁ。

あっ、記念写真を撮るのを忘れていた。相変わらず鶏頭(にわとりあたま)なゴーヘーである(^^ゞ。


■エピローグ

「一日体験漁師」と銘打った割には、小学生の工場見学並に、Mさんには何もやらせてあげられなかったのが残念。GW前にはいろいろ考えいたんだけど、いざ実際に船に乗ったらこちらは漁にかかりきりで、Mさんほったらかし、な場面が多かった(^^ゞ。

まぁ、サメがかかったり、クラッチが切れなかったりと日頃ないイベントもあったんで、海の上では日常を忘れることもできたのでは、と自画自賛中(汗)。

一方うちの中では、ゴーヘー父は母はともにおじいさん、おばあさんなんで話しもくどかったかもしれないのに、Mさんは随分気を遣ってくれて、二人の話し相手をしてくれた。二人ともとても楽しかったようである。Mさんに感謝♪

以上、かなり長くなりましたが、Mさんの「一日体験漁師」の巻でした。読んでくれた皆さんにも感謝(^-^)。

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Copyright (C) 2001-2003 Gohe.




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