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【Uターン漁師のゴーヘー通信】Vol.58 お正月
                                    2004年1月10日発行
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■お正月

年末は28日頃からお休みする漁師が多くなり、港ではゴッチ(底引き網)の船を中心に10隻近くの船が大漁旗を船に掲げます。正月を迎えるある種華々しさがあってゴーヘーは好きですが、村の漁師全体から見たら極少数派です。昔は年末年始に大漁旗を船に掲げる習慣がなかったので、近年になって掲げるようになったのでしょう。

うちの船は大漁旗は掲げませんが、大晦日にゴーヘー父お手製の船用しめ飾りを船のマストや舳先に取り付けます。松の枝葉とヤマモモの木の枝葉を紐でくくって小さなしめ縄をつけた、全体の高さが30cmくらいの簡単なものです。一緒に餅やミカンを飾ったりします。しめ飾りを見ると、ようやく正月気分が湧いてきます。
  
大晦日深夜、NHKの行く年来る年を見終わってから初詣に出かけます。今の家に引っ越す前は最初に途中にある氏神様に参っていましたが、今住んでいる村の北側からは途中に氏神様がないため割愛しています。

初詣は神社1カ所とお寺5カ所を巡ります。お寺の巡る順番は決まっているのですが、なぜか神社は一番最初だったり最後だったりと決まっていません。ゴーヘー父の気まぐれでお参り順序が変わります(笑)。

その神社では毎年世話役が焚き火を焚いて甘酒の振る舞いをやっています。口取りに世話役の誰かの自家製のお新香もあります。世話役は毎年交代のようで甘酒の甘さやお新香の味は毎年微妙に違っていて楽しいです。今年の甘酒は例年になく甘かったです。

5つのお寺のうち一カ所にだけ鐘突堂があって住職がそばについて除夜の鐘ならぬ、新年の鐘突きが行われています。昨年はゴーヘーも突きましたが今年は待ち人が多く列をなしていたので諦めました。昔は住職がそばについていなかったので、鐘を突きたい人が好き勝手に突きまくっていました。いつからか、今のスタイルになって平穏な新年の鐘になっています。

初日の出は村の南にある聖ヶ崎で拝むのが定番でしたが、眠くて起きられない寒さ苦手のゴーヘーは一度も行ったことがありません。今は場所にこだわらず各自が見やすい場所で見るのが流行のようです。今年のゴーヘーは自分の部屋の窓から初日の出を拝みました。暖かかった代わりにちょっとありがたみが少なかったかなぁ。

3日に妹一家が年始の挨拶に来て、甥っ子達にお年玉をあげ(取られ)ます。このデフレ時代にお年玉だけは年々金額が上昇してきていて、ITベンチャーも真っ青な伸び率です。

5日にはエビスコ(恵比寿講)があって、村内の2カ所で餅まきがあります。まかれた餅を拾ってきて焼いて食べると今年一年風邪をひかないと言われています。7日朝には村の各所にある氏神様で正月のしめ飾りなどを焼く行事があります。これをもって正月も終了。ようやく普段通りの生活に戻ります。

もっとも昔と違って今は正月3が日が過ぎれば海に出る人が多いです。うちも今年は5日から海に出てますし、海苔屋さは2日から動いています。年々正月らしさが薄れてきているように感じます。





■今週のゴーヘー

○1月5日(月)  <仕事始め>

昨日の午後、業者から電話があってムール貝採りを初めて欲しいとのことだった。ゴーヘー父はエビスコにかり出されて半日手が空かないため、ゴーヘー一人でかいて揃えた。

11日ぶりのマンガ引きは少し疲れた。年末年始のお休みで身体がなまってしまったようだ。14時頃からゴーヘー父が合流して16時まで揃え、どうにかネットに6つになった。仕事始めとしてはこんなもんだろう。


○1月6日(火)  <地震>

14時50分頃、テンマでムール貝を揃えていたらテンマが下から叩かれるような振動があった。風で流されて隣のテンマに当たった時の振動と違うので不審に思ったら、その直後札場の屋根がガサガサと音を立ててた。「突風か!?」とそちらを見やると札場の水道で軽トラを洗っていた漁師が、近くにいた他の漁師と大声で話し出した。どうやら地震があって屋根が揺れたようだ。するとさっきのテンマの揺れは地震の揺れというわけか。

一昨日の夕方、南西の空に竜巻状の雲が見えた。一瞬竜巻かと思ったけど竜巻のように移動することもなく、風に吹かれて次第に形を崩して消えてしまった。いわゆる地震雲というやつかもしれない。今日の地震の震源は三重県尾鷲市付近の熊野灘なので方角だけは合ってる。


○1月7日(水)  <のんび〜り>

朝は風が無く冷え込んだけど、日中は穏やかな冬晴れになってむしろ春のよう
な陽気。

ムール貝採りは下げ潮がのろむのが予定より30分も早く、海底の濁りが流れなくなってやりづらかった。しかたなく少し早く切り上げて帰ってきた。午後は4時まで揃えていたけど特に冷えることもなく気持ちよかった。


○1月9日(金)  <事故直後>

昨日一日猛烈な北西の風が吹き、ムール貝採りはお休みだった。今朝は残っているムール貝を揃えるつもりだったけど、ゴーヘー母の通院につきあって作業せず。

ゴーヘー母を軽トラで送る途中、河和(こうわ)中学校そばの交差点で集まっている人を発見した。近づいてそれが事故だとわかる。学校の先生らしき人が交通整理と倒れた人を介抱していた。通りがかりに確認すると、仰向けに倒れていたのはヘルメットを被った老齢の女性でスクーターがそばに倒れていた。女性は口、鼻から血を流して意識がない様子だったが、通過する一瞬のことだったのでそれ以上はわからなかった。次の交差点で信号待ちしてると救急車がやってきて走り去った。

ムール貝は10時半過ぎにかきに出た。すでにFH丸がうちがいつもやる場所でやっていて、しかたなくすこしタアカ(岸側)でかいた。そこは貝が少し小さく貝殻も多い場所なので、本来はやりたくない所。この場所で採ると揃えるのにも時間がかかる。結局昼までやって午後から揃えたが、ネット袋に4つ半しかできなかった。先日の残りと合わせて5つにして業者へ持っていった。


■エピローグ

2004年、1発目のゴーヘー通信です。ちょっと遅いですが、新年のご挨拶を申し上げます。今年もよろしくお願いします。

さて、今年は新年早々から地震があったり、事故にあって血を流している人を見たりと、いつになく出来事が多いです。松の内は暖かい日が続きましたし、なんとなく例年と違う1月です。少しそわそわするのは虫の知らせというやつでしょうか。

メルマガのネタや内容には苦しむかもしれませんが、様々なイベントが多くあるよりできれば平穏無事な日常を送りたいです。


■次回予告

Vol.59 「港内スロー」 2004年1月24日(土)発行予定


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